採用動画の1本目は、会社紹介ではなく「働く人の1日」から撮る
採用に動画を使うと決めると、多くの会社がまず会社紹介を作ります。私たちはこの順番をおすすめしていません。求人票にすでに書いてある内容を、映像で言い直すだけになるからです。
応募を迷っている人が知りたいのは、沿革や事業内容ではありません。自分がそこで毎日何をするのか、誰と働くのか。この2つです。だから1本目は、働く人の1日から撮ります。
広島の会社からご相談をいただくと、「うちは特別なことをしていないので撮るものがない」と言われることがあります。特別なものは要りません。朝の準備、作業の手元、昼の休憩。求職者はその普通の場面を見て、自分が働いている姿を想像します。
求職者のどの不安に答えるかを、撮る前に1つだけ選ぶ
採用動画が使われなくなる原因は、画質でも演出でもありません。誰のどの不安に答えるのかが決まらないまま、撮影に入ることです。
不安の種類が変われば、撮るものも、尺も、置く場所も変わります。私たちは打ち合わせの最初に、この表を一緒に埋めていきます。
| 応募前の不安 | 撮るもの | 尺の目安 | 主な置き場所 |
|---|---|---|---|
| 何をする仕事か分からない | 1日の作業の流れ、手元の動き | 60〜90秒 | 求人媒体、採用サイト |
| どんな人と働くか分からない | 入社2〜3年目の社員インタビュー | 60秒前後 | 採用サイト、面接の案内 |
| 職場の雰囲気が分からない | 事務所・作業場・休憩時間の様子 | 30秒前後 | Instagram、ショート動画 |
| 未経験でも続けられるか不安 | 未経験入社者が最初に覚えた仕事 | 90秒前後 | 会社説明会、面接前 |
4つ全部を1本に詰めると、3分を超えます。3分の採用動画は、最後まで見られません。1本に1つと決めてください。
選ぶ基準は、面接で毎回聞かれる質問です。面接官が同じ説明を何度も繰り返しているなら、そこが求職者のいちばん大きい不安です。まずそこを動画にします。
出演する社員は、話がうまい人より入社が浅い人を選ぶ
出演者を決めるとき、社内では「説明が上手な人」が候補に挙がります。ベテランの主任や、朝礼で話し慣れている人です。ただ、求職者が自分を重ねやすいのは、入社1〜3年目の社員です。
選ぶときに見る3つのこと
- 応募してほしい層に、年齢や経歴が近いか
- 仕事の内容を、自分の言葉で話せるか(うまく話せるかは問わない)
- 撮影日に、まとまった時間を取れる立場か
言葉に詰まる人でも問題ありません。編集でつなげます。むしろ、少し考えながら話す映像のほうが、台本を読み上げた映像より信用されます。
依頼するときに伝えること
出演を頼むときは、「何分撮るか」「どこで公開するか」「いつまで使うか」の3つを先に伝えてください。この3つが曖昧なまま当日を迎えると、現場で「これ、どこに出るんですか」と止まります。
hypex様では、採用向けの縦型社員インタビューを、質問番号のテロップ設計で統一感を出したシリーズとして制作しました。対談編を含めて4本です。同じ枠組みで複数人を撮っておくと、後から1人分を足す作業が軽くなります。
辞めたときにどうするか
社員が退職すると、その人が出ている動画は使いにくくなります。長く使う予定の採用動画を1人に背負わせると、退職のたびに作り直しが発生します。2〜3人を短く並べる構成にしておくと、1人分を差し替えるだけで済みます。
撮影当日は、社員の業務を止めない段取りを先に決める
採用動画の撮影は、社内の仕事を止めます。ここを軽く見た現場は、だいたい押します。
私たちがよく遭遇するのは、撮影当日の朝に「やっぱり社長も出たほうがいい」と方針が変わる場面です。社長の予定は動かせないので、撮影順を組み替えます。こうした変更に耐えられるように、撮る順番は「絶対に要るカット」から並べておきます。
前日までに、社内でこの5つを確認してください。
- 出演者の当日の業務予定(会議や納品が入っていないか)
- 撮影場所を使う許可(共用部・取引先の敷地は特に)
- 映り込み(他社のロゴ、個人情報の書類、モニターの画面)
- 服装(制服か私服か、当日に汚れる作業があるか)
- 音(工場の機械音、電話、館内放送の時間)
当日は、社内の立ち会い担当を1人決めてください。判断する人が現場にいないと、撮影は止まります。鍵を開ける、他部署に声をかける、出演者を呼ぶ。この役を兼ねられる人が1人いるだけで、進行はかなり楽になります。
音は後から直せません。事務所で撮るなら、電話が鳴る時間帯を外します。工場なら、機械を止められる時間を先に押さえます。この確認を先に済ませておくと、当日に現場を押さえる時間を短くできます。
納期の目安は、撮影を伴う実写で3〜4週間です。撮影なしで既存の写真や資料を使うアニメーションなら、最短2週間で納品できます。採用の募集開始から逆算して、余裕を持って動き出してください。
予算は「1本の完成度」より「撮り増しできる形」に配分する
採用は毎年続きます。1本に全予算を使い切る組み立ては、翌年に効きません。
私たちの実写動画は、スタータープランが50,000円(税別)です。簡易打ち合わせ、一人体制の撮影、編集、修正2回が含まれます。インタビューや簡易アニメーションを加えるスタンダードプランが100,000円、複数人体制・複数の場所での撮影を行うプレミアムプランが250,000円です。
社員が10人ほどの会社であれば、スタンダードプランで社員インタビューを1本作り、同じ撮影日に職場の様子も撮り足す形をおすすめしています。1回の撮影で複数の素材を確保しておくと、2本目以降の編集だけで済みます。
修正は2回までが料金に含まれます。3回目以降は別途ご相談です。社内の確認者が多い会社は、初回の確認を1回にまとめる進め方をおすすめします。部署ごとに意見が出てくると、修正回数はすぐに増えます。
公開したあと、動画が働く場所を決めておく
納品された動画を採用サイトに置いただけで止まる会社は多いです。採用サイトまでたどり着く人は、すでに興味を持った人です。そこだけに置くと、動画は迷っている人に届きません。
置き場所は、応募までの経路に沿って決めます。求人媒体の動画枠、会社説明会の冒頭、面接の案内メール、Instagramのプロフィール欄。同じ1本でも、出す場所によって役割が変わります。
注意したいのは、媒体ごとに動画枠の仕様が違う点です。縦横比や尺の上限、アップロードできるファイル形式は媒体側の決まりに従います。使う予定の媒体が決まっているなら、その仕様を制作前に共有してください。納品後に作り直すより、撮影の構図から合わせるほうが早いです。
効果の見方も、応募数だけにしないでください。面接で仕事内容の質問が減ったか、辞退の理由に「思っていた仕事と違った」が出なくなったか。採用動画が効いているかは、そこにも表れます。
相談する
「採用動画を作りたいが、何を撮ればいいか分からない」という段階でのご相談で構いません。今の求人票と、面接でよく聞かれる質問を教えていただければ、1本目に撮るものの整理から一緒にやります。
出演者が決まっていない、撮影に出せる時間が読めない。そうした状態でも、進め方は組み立てられます。構成案とお見積もりは無料でご提案します。広島市内であれば訪問、それ以外の地域はオンラインで対応しています。
