パンフレットとHPを動画にする方法|使えるデータ・使えない素材と、失敗しない進め方

写真: Thirdman / Pexels

手元の紙とWebサイトは、動画の制作費を下げる素材になる

パンフレットや会社案内、LPがすでにあるなら、動画はゼロから作るより速く仕上がります。伝える順番も、文章も、デザインも、もう決まっているためです。私たちの料金でいえば、アニメーション動画のスタータープランが50,000円(税別)。「チラシやHPを動画にして、広告やサイネージ等で使用したい方」向けのプランです。

ただし条件が1つあります。紙面をそのまま順番に動かした動画は、見てもらえません。紙と画面では、読む人の姿勢が違うからです。

ワウハウス株式会社様には、パンフレットの構成とデザインデータを踏襲してサービス説明動画を制作しました。構成を考え直していないぶん、短納期で仕上がっています。ただし、そのまま流し込んだわけではありません。この記事では、紙面のどこを引き継ぎ、どこを作り替えるのかを書きます。

動画にする紙面は、全体の3割で足りる

8ページのパンフレットを持ち込まれたとき、私たちが最初にするのは仕分けです。全ページを動画にする前提で見積もると、金額も納期も膨らみます。実際に動画にすべきページは、2枚か3枚に収まることが多いです。

紙面の中身動画に向くか理由
仕組み・流れ・工程の説明向く順番に動くと理解が早い
ビフォー・アフター、数字の変化向く変わる瞬間を見せられる
会社の雰囲気・世界観向く音と動きが効く
料金表・スペック表向かない改定のたびに作り直しになる
会社概要・沿革の一覧向かない止めて読む情報。紙やWebのほうが速い
問い合わせ先・地図向かない見た人がその場で書き写せない

判断の軸は「止めて読む情報か、流れで理解する情報か」です。住所や価格は、読む人が止めて確認します。動画は止まりません。工程や仕組みは逆で、順番があるぶん動画のほうが伝わります。

Snap Fitness様には、店外に設置するデジタルサイネージ向けのアニメーションを制作しました。通りがかる人が数秒だけ目をやる場所です。この条件だと、1画面に入れられる文字は多くて3行。置き場所が先に決まると、紙面のどこを使うかも自動的に絞られます。

紙のレイアウトは、そのままでは動かない

1画面に残す文字は、紙面の3分の1まで

A4の紙面は、手元で読む前提で組まれています。動画はスマホやモニターで、紙より遠くから見られます。紙面の文字をそのまま画面に流すと、ほとんど読めません。

私たちは、1画面あたりの文字量を紙面の3分の1程度まで削ります。削った内容は捨てるのではなく、ナレーションか、動画の下に置く説明文に回します。全部載っているのに何も読まれない画面より、1つだけ残って読まれる画面のほうが伝わります。

縦の紙面を、横型にするか縦型にするか

A4縦のパンフレットを横型16:9に置き換えると、左右に余白が出ます。ここを埋めようとして紙面を引き伸ばし、間延びした動画になる例をよく見ます。

判断は置き場所からです。Webサイトに埋め込む、展示会のモニターに流す、商談でタブレットを見せる。この用途なら横型。InstagramやTikTok、店頭の縦置きサイネージなら縦型です。両方で使う予定があるなら、最初にお知らせください。横型を作ってから縦に切り出すと、画面の端に置いた要素が切れて作り直しになります。

株式会社オクヒラ様には、Webサイトのトップページに掲載するメインアニメーションを制作しました。掲載先が先に決まっていたので、画面の比率も尺も迷わずに決まっています。

ナレーションを入れるかは、音の出る場所かで決める

紙の文章をナレーションに回すと、画面から文字を減らせます。動画はぐっと見やすくなります。ただし音の出ない場所では、この手は使えません。

  • 音が出る場所(商談、社内研修、YouTube)→ ナレーション中心。画面の文字は最小限にする
  • 音が出ない場所(SNSのタイムライン、店頭サイネージ)→ 字幕中心。無音でも伝わる構成にする

両方で使うなら、ナレーションを入れたうえで字幕も載せます。このとき、字幕の置き場所を最初から空けてデザインします。あとから足すと、せっかく踏襲した紙面のデザインを自分で崩すことになります。

つまずくのは、たいてい素材の権利

制作が止まる原因で多いのは、デザインでも構成でもありません。素材です。発注してから「その写真は動画に使えません」と分かる場面が、実際にあります。

写真

ストックフォトは、用途ごとに契約が分かれている場合があります。紙のパンフレット用に買った写真が、そのまま動画で使える契約とはかぎりません。購入したのが制作会社の名義か、自社の名義かでも扱いが変わります。

確認するのは3つです。誰の名義で買ったか、どの媒体まで使える契約か、期限があるか。パンフレットを作った会社に聞けば、たいてい分かります。曖昧なまま進めるより、買い直すか撮り直すかの判断を先にしたほうが早く終わります。

フォント

紙面で使っているフォントを、そのまま動画で使えるとはかぎりません。フォントの利用許諾は、印刷物と映像で条件が分かれていることがあります。使っているフォント名と、その許諾の範囲を確認してください。

差し替えると見た目の印象が変わります。ロゴや見出しなど、印象を左右する部分だけ画像として書き出して使い、本文は許諾のあるフォントで組み直す。私たちはこの形をとることが多いです。

人物

パンフレットに載っている社員やお客様の写真を動画に使うときは、撮影時の同意の範囲を確認してください。社内報に載せる前提で撮った写真が、YouTubeで公開されるのは話が別です。退職した社員が写っている場合も同じで、差し替えの相談になります。

発注前にそろえておくデータ

打ち合わせの前に次がそろっていると、制作は一気に速く進みます。

  • 紙面のデザインデータ(Illustrator・InDesign。無ければPDFでも進みます)
  • Webサイトが元なら、対象ページのURL
  • ロゴデータ(できれば背景が透過されたもの)
  • 使っている写真の元データと、購入元・契約内容が分かるもの
  • 動画を置く場所(Webサイト・SNS・サイネージ・商談)
  • 社内で最終確認をする人と、その人が確認できる時期

4つ目がいちばん抜けやすく、そして進行を止めます。撮影のない動画なのに納品が遅れる案件は、だいたいここで詰まっています。

最後の項目も軽く見ないでください。データがそろっていても、確認する人が出張で1週間動かなければ、その1週間はまるごと止まります。修正は2回までが料金に含まれ、3回目以降は別途ご相談です。確認する人を最初に1人決めておくと、この回数に収まりやすくなります。

PDFしか残っていない場合でも進められます。ただし紙面から文字や写真を切り出す作業が増えるぶん、元データがある場合より手間はかかります。過去に作ったパンフレットのデータは、制作した会社に残っていることが多いです。手元にないと決めつける前に、一度問い合わせてみてください。

費用と納期の目安

アニメーション動画のスタータープランは50,000円(税別)です。チラシやHPのデザインを活かして動画にする内容で、修正2回までを含みます。

構成から一緒に考えるなら、絵コンテの提案が付くスタンダードプランが150,000円。紙面にとらわれず完全オリジナルのデザインを起こし、ナレーションまで録るプレミアムプランが300,000円です。手元の紙面をそのまま使うか、参考にとどめて作り直すかで、選ぶプランが変わります。

納期は最短2週間です。展示会やキャンペーンに合わせたいなら、開催の1か月以上前にご相談ください。素材の権利確認に時間がかかる案件があるためです。

LP用の制作サンプルとして、LPのデザインを踏襲した15秒のアニメーションを公開しています。15秒に何が入って何が落ちるのか、実際の尺で確かめられます。

相談する

「パンフレットはあるけれど、どこを動画にすればいいか分からない」という段階でのご相談で構いません。紙面を見せていただければ、動画に向くページと向かないページの仕分けから一緒にやります。

データがPDFしかない、写真の契約が分からない。そうした状態でも、進め方の整理はできます。構成案とお見積もりは無料でご提案します。広島市内であれば訪問、それ以外の地域はオンラインで対応しています。

よくある質問

紙のパンフレットしか手元になく、デザインデータが残っていない場合はどうなりますか?

紙をスキャンして進める方法はありますが、文字や細い図がぼやけます。ロゴと写真だけ元データを探し、文字は動画側で組み直す形が現実的です。制作した会社にデータが残っていないか、先に問い合わせてみてください。

動画にしたあとでパンフレットを改訂したら、動画も作り直しになりますか?

納品後の変更は、料金に含まれる修正2回とは別の扱いになるため、別途ご相談となります。文字の差し替えだけなら作業は軽く済みます。改訂の予定がある情報は、最初から動画に入れない設計をおすすめします。

パンフレットとWebサイトの両方がある場合、どちらを元にするのがいいですか?

動画を置く場所に近いほうを選んでください。サイトに埋め込むならWebのデザイン、展示会や商談で使うならパンフレットが合います。両方の要素を混ぜると、どちらの印象とも違う動画になります。

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内容が固まっていない段階でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。