アニメーションと実写、どちらを選ぶか|4つの質問で決める判断手順と予算の目安

写真: Anete Lusina / Pexels

見せたいものが、いまカメラの前に存在するかで決まる

アニメーションと実写のどちらにするか。この質問をいただくとき、私たちが最初に確認するのは表現の好みではありません。見せたいものが、いまカメラの前に存在するかどうかです。

存在するなら実写です。店の空気、職人の手つき、社員の表情。これらは撮るほうが速く、伝わります。存在しないならアニメーションです。データの流れ、契約の仕組み、体の中の変化。撮れないものを撮ろうとすると、費用も時間も伸びます。

私たちは広島で動画制作会社を営んでいます。2022年の設立以来、累計300本以上を制作してきました。実写もアニメーションも扱っているため、どちらかに寄せる理由がありません。その立場から、発注側がその場で判断できる手順を書きます。

4つの質問に答えると、答えが出る

打ち合わせで私たちが聞いているのは、実質この4つです。社内で先に答えを出しておくと、初回の相談が一気に進みます。

1. 見せたい対象は、撮れる状態にあるか

商品が手元にあり、現場に入れるなら実写が向きます。まだ開発中、あるいはソフトウェアのように画面の中だけで動くものなら、アニメーションです。

株式会社カーネット様のサービス説明動画は、後者でした。複雑なシステムは、口頭や紙の資料だけでは魅力が伝わりにくい。そこでアニメーションにして、営業担当者が商談で使える1本にしました。1分18秒の動画が、年間100件の契約獲得を側面から後押ししています。

2. 信頼してもらう必要がある相手か

金額の大きい商材、任せる不安が先に立つサービス。こうした場面では、実在する人が話す映像が効きます。同じカーネット様でも、導入企業の声を届ける利用者インタビューは実写で撮りました。6分22秒あります。長さを許されるのは、見る側に知りたい動機があるからです。

3. 出演する人の予定を、何回も押さえられるか

ここが抜けやすい点です。実写は人の予定が制作の速度を決めます。撮影当日に社長の予定がずれる事態は、めずらしくありません。関係者が多い会社ほど、日程調整だけで2週間かかります。

日程が読めないなら、アニメーションのほうが現実的です。撮影がない案件は、最短2週間で納品できます。実写で撮影を伴う場合は3〜4週間が目安です。

4. 1年後に、内容が変わっている可能性はあるか

料金表、サービス名、拠点の数。変わる情報が入る動画は、差し替え前提で作ります。アニメーションなら文字や図の入れ替えで済みます。実写でナレーションと画面に金額を焼き込んでいると、撮り直しの範囲が広がります。

社内で用意するものが、まるごと違う

見落とされがちなのは、社内の負担の種類です。費用の差より、こちらが進行を左右します。

実写アニメーション
社内で用意するもの出演者、撮影場所、撮影日の確保ロゴ・デザインデータ、掲載したい文字原稿
主な負担日程調整と、当日の立ち会い原稿の文言を社内で確定させること
止まりやすい場所出演者の都合、天候、場所の許可文言の社内承認
撮影後の変更撮り直しになる範囲が広い文字・図の差し替えで収まる場合が多い

実写は「人と場所と日」を出す仕事です。アニメーションは「言葉と素材」を出す仕事です。どちらが自社にとって出しやすいかを考えると、答えが絞れます。

チラシやパンフレット、Webサイトのデザインデータが手元にあるなら、アニメーションの立ち上がりは速いです。既存のデザインを踏襲して動かす形にできます。逆に、社内で文言を1つ決めるのに何度も稟議が要る会社なら、実写で現場を撮るほうが早く終わります。

発注前に、この4つを確認してください。

  • 出演をお願いできる人が、社内に決まっているか
  • ロゴと写真の元データが、探せる場所にあるか
  • 原稿の最終決定者が、1人に決まっているか
  • 動画に入れる金額・数字が、半年以内に変わる予定はないか

両方作るという選択と、その順番

アニメーションか実写か、という二択で考えなくてよい場面もあります。カーネット様は、同じサービスについてアニメーションと実写インタビューの両方を持っています。仕組みの説明はアニメーション、導入した会社の実感は実写。役割が違うため、競合しません。

実写の中に図解を差し込む形も多いです。私たちの実写スタンダードプランには、簡易アニメーションが含まれます。インタビューを撮ったうえで、数字の説明だけ図に置き換える。この組み合わせは、1本で済ませたい案件に向きます。

順番を聞かれたら、私たちは仕組みの説明から作ることをおすすめしています。仕組みを言葉にする作業が、そのまま実写の質問リストになるからです。逆から始めると、インタビューで何を聞くかが固まりません。

予算から逆算する

金額から入る会社も多いので、こちらも書きます。いずれも税別です。

実写は、スタータープランが50,000円です。簡易打ち合わせ、一人体制の撮影、編集、修正2回まで。インタビューや簡易アニメーションを加えるスタンダードプランが100,000円。ロケハンと2名体制の撮影を入れるプレミアムプランが250,000円です。

アニメーションは、スタータープランが50,000円。チラシやHPのデザインを動画にして、広告やサイネージで使う用途です。絵コンテの提案から入るスタンダードプランが150,000円。完全オリジナルデザインとナレーション録りを含むプレミアムプランが300,000円です。

同じ50,000円でも、中身の性質が違います。実写のスターターは撮影を1回使う枠、アニメーションのスターターは既にある素材を動かす枠です。素材が揃っている会社なら、アニメーションのほうが得られる情報量が多くなります。

修正は2回までが料金に含まれ、3回目以降は別途ご相談です。この回数に収めるコツは、1回目の修正を社内でまとめて出すことです。部署ごとに別々に意見が届くと、2回で足りなくなります。

相談する

どちらにするか決まっていない段階が、いちばん相談に向いています。目的と相手が分かれば、手法はこちらで提案できます。

「撮影に出せる人がいない」「デザインデータがどこにあるか分からない」といった状態でも問題ありません。手元にあるものから逆算して、現実的な進め方を組みます。構成案とお見積もりは無料です。打ち合わせはオンラインで対応し、広島市内であれば訪問もいたします。

よくある質問

アニメーションと実写で、修正のしやすさに差はありますか?

差があります。アニメーションは文字や図の差し替えが後から効きますが、実写は撮り直しになる箇所が出ます。どちらも修正は2回までが料金に含まれ、3回目以降は別途ご相談です。

実写で撮った動画に、後からアニメーションを足せますか?

足せます。数字やグラフの説明を図で補うケースは多いです。ただし撮影時に図を入れる余白を考えていないと、画面が窮屈になります。図を入れる予定があるなら、撮影前にお伝えください。

社員が退職したら、出演している動画は使えなくなりますか?

契約や社内規程によりますが、実務上は差し替えの相談になる場合が多いです。長く使う予定の動画に誰を出すかは、撮影前に決めておくほうが安全です。顔を出さない構成に寄せる方法もあります。

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