営業動画は「毎回同じ説明をしている部分」だけを動画にする
営業で使う動画を作るとき、最初に決めるのは尺でも演出でもありません。営業資料のどこを動画に置き換えるか、です。
ここを決めないまま「会社と商品を一通り紹介する動画」を発注すると、10分の動画ができあがります。そして商談では再生されません。商談の持ち時間は30分か1時間です。そのうち10分を動画に使う判断は、現場の営業担当者にはできません。
私たちは広島で動画制作会社を営んでいます。2022年の設立以来、累計300本以上を制作してきました。営業の現場で使う動画も何本か手がけています。使われる動画と、納品後に眠る動画の差は、映像の品質ではありません。営業のどの場面に差し込むかを、作る前に決めたかどうかです。
この記事では、営業動画を設計する順番を書きます。動画の種類を並べた一覧ではありません。来週の商談で実際に再生される1本にするための、判断の手順です。
使う場面を1つに絞ってから中身を考える
営業動画が効く場面は3つあります。3つ全部を1本でまかなおうとすると、どの場面にも中途半端な動画になります。まず1つ選んでください。
| 場面 | 動画に代わりにやってもらうこと | 向いている中身と尺 |
|---|---|---|
| 商談前(アポの前にメールで送る) | 会う前に前提をそろえる | 会社と商材の概要。1〜2分 |
| 商談中(対面・オンライン) | 毎回同じ説明を任せる | 仕組みや使い方の図解。1〜3分 |
| 商談後(決裁者への回覧) | 担当者の代わりに社内で説明する | 導入事例・利用者の声。3〜6分 |
株式会社カーネット様には、商談中に使うサービス説明アニメーションを制作しました。複雑なシステムは、口頭や紙の資料だけでは魅力が伝わりにくいという課題がありました。そこで営業担当者が商談の場で再生し、動画が「完璧なプレゼン」を代行する設計にしました。尺は1分18秒です。顧客の理解度が均一化し、年間100件の契約獲得を側面から後押ししました。
同じカーネット様には、LINEUP利用者インタビューの動画も制作しています。こちらは6分22秒あります。導入企業の生の声を届け、成約を後押しする役割です。商談中に流す1分18秒と、あとからじっくり見てもらう6分22秒。同じ会社の動画でも、場面が違えば尺も中身も変わります。
営業資料のどこを動画にするか
場面が決まったら、いま使っている営業資料を開いてください。全ページを動画にする必要はありません。仕分けの基準は4つです。
| 資料のページ | 動画にするか | 理由 |
|---|---|---|
| 毎回ほぼ同じ言葉で説明している | する | 説明の質が担当者ごとに揺れなくなる |
| 言葉だけでは伝わりにくい(仕組み・流れ・数字の変化) | する | 図が動くと理解が早い |
| 価格表・料金プラン | しない | 改定のたびに作り直しが要る |
| 相手によって出し分けている | しない | 動画は途中での出し分けができない |
この仕分けをすると、10ページの営業資料のうち動画にすべきページは3枚か4枚、という結果になることが多いです。それで問題ありません。残りは資料のまま口頭で話したほうが早い。
ワウハウス株式会社様のサービス説明動画では、既にあるパンフレットの構成とデザインデータをそのまま踏襲して動画化しました。構成をゼロから考え直していません。結果として短納期で仕上がりました。手元に営業資料があるなら、それは制作費を下げる素材です。
価格を動画に入れない理由
料金プランを動画に入れると、改定のたびに動画が使えなくなります。私たちがよく提案するのは、価格のページだけ資料に残す形です。動画で仕組みを説明し、価格は紙かスライドで見せる。この分担にしておけば、値上げをしても動画は生き続けます。
尺と構成の決め方
尺は「場面 × 相手の集中力」で決める
営業動画の尺に、万能の正解はありません。決め手になるのは、その動画を見る人が何分座っていられるかです。
商談中に流すなら1〜3分に収めます。3分を超えたあたりで、相手が時計を見ます。商談前にメールで送るなら1〜2分。開いてもらえるかどうかの勝負なので、長いと再生すらされません。決裁者への回覧用は5分を超えても構いません。見る側に「判断するために見る」という動機があるためです。
構成は4つの箱に分ける
営業動画の構成は、次の順番に収めるとまとまります。
- 相手の困りごとを言い当てる(一般論ではなく、具体的な業務の場面で)
- それを何がどう解決するのかを図で見せる
- 導入した後の状態を見せる
- 次にとってほしい行動を1つだけ示す
4つ目が抜けた動画をよく見かけます。きれいに作られているのに、見終わった相手が何をすればいいか分からない。資料請求なのか、無料相談なのか、社内で共有してほしいのか。1つだけ決めて、最後に置いてください。
最初の10秒をロゴで使わない
冒頭で会社のロゴが10秒映る動画があります。商談中に流すぶんには問題ありません。相手はもう座っています。問題になるのは、メールで送る動画です。冒頭で「自分に関係がある」と思わせないと、そこで閉じられます。
私たちは、最初のカットに相手の困りごとを置く構成を提案することが多いです。「毎月の見積書作成に、担当者が何時間も取られている」といった日常の場面から始めます。ロゴは最後で足ります。
社内で準備しておくもの
発注前に次を用意しておくと、制作が速く進みます。上の3つは、私たちが最初の打ち合わせで必ずお聞きする内容です。
- いま使っている営業資料(PowerPointやPDFのままで構いません)
- よく受ける質問と、それにどう答えているか(営業担当者3人くらいに聞いてください)
- 受注した理由・失注した理由で、印象に残っているもの
- ロゴ・製品写真・図版などのデータ
- 社内で誰が最終確認をするか、その人はいつ確認できるか
一番効くのは2つ目です。営業担当者が現場で毎回話している内容は、そのまま台本の下書きになります。経営層が考える「伝えたいこと」と、現場が「毎回説明していること」は、たいていずれています。動画にすべきなのは後者です。
5つ目も軽く見ないでください。撮影当日に社長の予定が変わる、確認する人が出張で1週間動かない。こうした遅れは制作の工程ではなく、社内の確認で起きます。私たちの場合、修正は2回までが料金に含まれます。3回目以降は別途ご相談です。確認する人を最初から1人に決めておくと、この回数に収まりやすくなります。
納品後に使われ続けるための3つの仕掛け
納品して終わりにすると、動画は数か月で忘れられます。営業の現場で回し続けるために、次の3つを決めておいてください。
1つ目は置き場所です。営業担当者のスマホやタブレットに、オフラインで再生できるファイルを入れておきます。訪問先の通信環境は読めません。URLだけ渡すと、電波の届かない会議室で止まります。
2つ目は、再生するタイミングをトークスクリプトに書き込むことです。「会社紹介のあと、課題のヒアリングに入る前」と一行足すだけで、使われる頻度が変わります。
3つ目は、営業会議で一度全員に見せることです。作った動画を当の営業担当者が見ていない例は、実際にあります。自分が中身を知らない動画を、商談で再生する人はいません。
予算と、最初の1本の選び方
営業動画は、1本に全部を詰め込むより、場面ごとに短く分けたほうが機能します。私たちの料金でいえば、アニメーション動画のスタータープランが50,000円(税別)です。既存のチラシ・パンフレット・営業資料のデザインを活かして動画化する内容で、修正2回まで含みます。
構成から一緒に考えてほしい場合は、絵コンテの提案が付くスタンダードプランが150,000円です。オリジナルのデザインを起こし、ナレーションまで録るプレミアムプランは300,000円になります。
実写で利用者インタビューを撮る場合は、スタータープランが50,000円、インタビューと簡易アニメーションが入るスタンダードプランが100,000円、ロケハンと2名体制の撮影が付くプレミアムプランが250,000円です。
納期は最短2週間です。撮影を伴う場合は3〜4週間を見てください。展示会や期末の商談に合わせたいなら、逆算して2か月前のご相談が安全です。
まず1本試すなら、商談中に使う短いアニメーションから始める形をおすすめします。効果が見えやすく、営業担当者の反応もすぐ返ってきます。そこで手応えがあれば、インタビュー動画や事例動画へ広げていけます。
相談する
営業動画は、作る前の仕分けで結果の大半が決まります。どのページを動画にするか、どの場面で再生するか。ここが決まっていない段階でのご相談で構いません。
「営業資料はあるけれど、どこを動画にすればいいか分からない」という状態から、私たちが一緒に整理します。構成案とお見積もりは無料でご提案します。広島市内であれば訪問、それ以外の地域はオンラインで対応しています。
