動画制作の費用の内訳|見積もりが変わる6つの要因と、予算の決め方

動画の費用は「尺」ではなく「作業量」で決まる

動画制作の費用は、動画の長さでは決まりません。決まるのは、完成までに人が動いた量です。1分の動画が30万円になることもあります。3分の動画が5万円で収まることもあります。差を生むのは尺ではなく、企画の有無、撮影の日数、関わった人数です。

私たちは広島で動画制作会社を営んでいます。2022年の設立以来、累計300本以上を制作してきました。その中で、見積書を見た担当者から最も多く受ける質問が「この金額は、何の金額ですか」です。

この記事では、見積書の内訳と、金額が動く要因、予算から逆算する手順を書きます。相場の一覧表ではありません。自社の予算をいくらに設定するか、ご自身で判断できる状態になることを目指した内容です。

見積書に並ぶ5つの費目

制作会社によって書き方は違います。ただ、費目はおおむね5つに整理できます。

企画・構成費

動画の目的を整理し、構成案や絵コンテを作る作業の費用です。「何を、どの順番で、どう見せるか」を決める工程にあたります。ここを省けば安くなります。代わりに、発注側が構成を用意する必要が出てきます。

ディレクション費

打ち合わせ、スケジュール管理、撮影現場の指揮にかかる費用です。見積書の中で、最も理解されにくい項目だと感じています。実態は、制作全体が破綻しないように見張る人の人件費です。関係者が多い案件ほど、この工数は増えます。

撮影費

カメラマン、機材、移動にかかる費用です。人数と日数で変わります。1日で撮り切るか、2日に分けるかで、金額は大きく動きます。遠方の撮影では、交通費が別途かかります。

編集費

撮影した素材を切り、字幕・BGM・ナレーションを載せる作業です。カット数が多い動画や、数字や仕組みを図解する動画は、ここが厚くなります。アニメーション動画の場合、費用のほとんどがこの工程に集まります。

諸経費

素材の使用料、出演者の手配、スタジオの利用料などです。一つひとつの金額は小さく見えます。ただ、見落とすと後から効いてきます。特に音楽と写真の権利は、確認を怠ると差し替えが必要になります。

金額を動かす6つの要因

見積もりの金額は、次の6つで動きます。発注側が自分で調整できるものと、そうでないものを分けました。

要因金額への影響発注側で調整できるか
撮影をするかどうか大きい調整できる
撮影の日数と場所の数大きい調整できる
撮影の体制(1名か2名か)中くらい相談して決める
企画・構成を誰が作るか中くらい調整できる
ナレーション・オリジナルデザイン中くらい調整できる
修正の回数小さいが見落としやすい調整できる

このうち、効き目が一番大きいのは撮影の有無です。撮影をやめてアニメーションに切り替えるだけで、予算の前提が変わります。手元にチラシやパンフレット、ホームページのデザインデータがあるなら、撮影なしでも動画は作れます。西本屋様の即湯サービス紹介アニメーションは、イラストの原画をレイヤーに分け、水しぶきや湯気の動きを付けた15秒の動画です。撮影は一度もしていません。

次に効くのが、撮影場所の数です。「本社と工場の両方で撮りたい」という要望は、よくいただきます。移動と設営が増えるぶん、1日では収まらなくなります。優先度の高い場所を1つに絞るだけで、金額は目に見えて変わります。

修正回数は、金額表には出てきません。ただ、進行には確実に効いてきます。私たちの場合、修正は2回までが料金に含まれます。3回目以降は別途ご相談です。この線引きは、契約前に必ず確認してください。

予算を先に決めるときの手順

「相場が分からないので、予算が決められない」というご相談をよくいただきます。順番を逆にすると決めやすくなります。相場から予算を決めるのではなく、使い道から決めます。

  1. どこで使うかを決める(採用サイト・展示会・営業商談・Instagram など)
  2. 何本必要かを数える(1本で足りるか、媒体ごとに分けるか)
  3. 撮影が要るかを判断する(人の表情や現場を見せたいか、仕組みを図解したいか)
  4. 残った金額を企画とデザインに回す

この順で考えると、予算の根拠が社内で説明しやすくなります。「相場がこのくらいだから」という説明では、稟議は通りにくいものです。「採用サイトで1本、会社説明会で流用、撮影は本社1日」と書けば、金額の理由が言葉になります。

予算帯ごとに、実際にできること

私たちのプランを例に、予算帯ごとの中身を並べます。金額はすべて税別です。

予算実写動画アニメーション動画
50,000円簡易打ち合わせ、一人体制の撮影、編集、修正2回簡易打ち合わせ、アニメーション編集、修正2回
100,000円打ち合わせ、一人体制の撮影、インタビュー、簡易アニメーション、編集、修正2回
150,000円打ち合わせ、絵コンテ提案、アニメーション編集、修正2回
250,000円打ち合わせ、事前インタビュー、ロケハン、2名体制の撮影、編集、アニメーション、修正2回
300,000円打ち合わせ、ラフコンテ提案、オリジナルデザイン作成、絵コンテ提案、アニメーション編集、ナレーション録り、修正2回

見ていただきたいのは、金額が上がるにつれて増えているのが「人の手数」だという点です。ロケハンが付く、撮影が2名体制になる、オリジナルデザインを起こす。増えているのは画質ではなく工程です。

予算が限られている場合、私たちは「やることを減らす」提案をします。品質を落とすのではありません。撮影場所を1つに絞る、尺を短くする、既存の素材を使う。この3つを組み合わせれば、スタータープランの枠に収まる設計にできます。

費用をかける価値があるかの判断

金額の話と同じくらい大切なのが、その動画が何を代わりにやってくれるか、という視点です。

株式会社カーネット様には、営業商談で使うサービス説明アニメーションを制作しました。複雑なシステムは、口頭や紙の資料では魅力が伝わりにくいという課題がありました。動画が「完璧なプレゼン」を代行する設計にしたところ、顧客の理解度がそろい、年間100件の契約獲得を側面から後押ししました。

シェアサロンCOCO様では、動画制作だけで終わらせず、SNSの運用と予約導線の構築までを一括で設計しました。結果として、施設の登録者数が400%増加しています。

どちらも、動画そのものではなく、動画が担う仕事に費用を払った例です。「何本作るか」より「何を代わりにやってもらうか」で考えると、金額の妥当性が判断しやすくなります。

見積もりで確認する7項目

見積書を受け取ったら、金額の前に次を確認してください。

  1. 撮影の日数と、撮影場所の数は何箇所か
  2. 撮影の体制は何名か
  3. 企画・構成はどちらが作るか
  4. 修正は何回まで含まれるか、3回目以降はどうなるか
  5. BGM・写真・フォントの使用料は含まれているか
  6. 交通費や出張費は含まれているか、別途か
  7. 納品形式と、二次利用(縦型への作り直しなど)の扱い

この7つが書かれていない見積書は、金額だけを見ても比較になりません。見積もり提出のあとで「やはりSNS用の縦型も欲しい」と要望が増える場面は、実際によくあります。最初の1枚で線引きを確認しておけば、その場で判断できます。

相談する

動画の費用は、何にどれだけ人手をかけるかで決まります。予算が決まっていない段階でも構いません。「採用に使いたい」「展示会で流したい」という一言からで大丈夫です。私たちが目的の整理からお手伝いし、構成案とお見積もりを無料でご提案します。広島市内であれば訪問、それ以外はオンラインで対応しています。

よくある質問

相見積もりを取るとき、条件をそろえるコツはありますか?

尺・本数・撮影日数・修正回数の4つを、各社に同じ文面で伝えてください。この4つがそろっていないと、金額だけを並べても比較になりません。条件を書いた1枚のメモを作り、そのまま全社に送る方法をおすすめします。

複数本をまとめて依頼すると、1本あたりの費用は下がりますか?

下がる場合があります。撮影を1日にまとめられるときや、同じデザインを使い回せるときは、2本目以降の工数が減るためです。ご相談の段階で「将来的に何本くらい必要か」を伝えていただけると、初回から設計を分けて考えられます。

納品後に、SNS用の縦型へ作り直す場合も費用はかかりますか?

作り直しは修正ではなく新しい編集にあたるため、別途ご相談となります。縦型を使う予定が少しでもあるなら、最初の見積もり時にお伝えください。撮影の構図から縦型を想定しておけば、後の作業がかなり軽くなります。

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内容が固まっていない段階でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。